こんにちは、リモートワークで数日家から出てないhiraiva(執行役員CTO平岩)です。まさか、こんな形で私の引きこもりスキルが再び発揮されるとはね。
オプトではCOVID-19の感染拡大に伴い、行政の方針と連携しながら順次リモートワークをはじめとする対策を行ってきました。そんな中、緊急事態宣言解除後の5月末、今後もリモートワークを主軸とし、週2回までの出社とすることを発表させていただきました。
2020年7月現在は出社している人もいますが、エンジニアだけでなく多くの社員がリモートワークを選択し、課題とも向き合いながら前向きに業務を進めています。弊社ではコロナ禍の状況に連動して、どういった流れで今の状況に至ったのか、まとめてみたいと思います。
時系列順に振り返ってみる
2020年1月
- 日本国内で初の感染者
この時点では中国経由の感染者が多く、国内でも水際対策に関心が集まっていたような気がします。弊社内でもそこまで危機感が強かったわけではなかったように思います。
2020年2月
- 「ダイヤモンド・プリンセス号」などの一連の騒動
- 一部都道府県で感染事例が確認され始める
- 国内でCOVID-19による初の死亡者
「ダイヤモンド・プリンセス号」は非常に関心を集めた、国内の危機感を醸成した事例だったと思います。リモートワークに踏み切る企業も少数ですが現れ始めたように思います。
弊社内でも出社に伴うリスクを心配する声が上がり始め、元々リモートワークは一部許可されていたので現場上長の判断などで対応することもありましたが、経営層での議論が行われ2月末に以下の対応方針をアナウンスさせていただきました。
この時点では、原則テレワークまたは時差出勤で、まだ在宅勤務は「推奨」ですね。ただ、移動と集合の制限をこの時点で明確にかけていましたし、全社会議はリモートでの開催に切り替わりました。
この頃の働き方は?
毎日出社していて、毎日家に着くのが21時すぎ、遅ければ23時を回る事も。 (コンサル 30代 男性) ・会社説明会:オフライン ・学生さんとの面談:通勤圏内の方はオフライン/通勤圏外の方はオンライン(従来通り) ・社外の採用イベント:オフラインで、マスク着用・アルコール消毒など対策あり。オプトの対応方針アナウンス以降は参加を辞退。 (人事 30代 女性) 毎日1~3アポ入っており、クライアントのところに訪問していました。 自宅からアポに直行して、最後のアポが終わって自宅に直帰することも多かったです。 (営業 20代 女性) 午前は部分リモートしつつ、基本的には出社。フルリモートは週に1回あるかないか。 2/26あたりからは完全フルリモートへ移行。 (エンジニア 20代 男性) 主にミーティングのウェイトが大きく、仕様や要件の調整や合意を取る業務を対面でしていた。 下旬は社内で原則リモート勤務の動きになっていたので、それからずっと在宅で同等の業務を実施していた。 (エンジニア 30代 男性)
2020年3月
- 国内感染者の増大
- 欧州における感染拡大
- 東京オリンピック延期
世界的な感染拡大が止まらず、ニューヨークなど世界的な都市が都市封鎖に踏み切る中、日本でも感染拡大が急速に進んだ時期でした。
弊社においても2月末の対応方針に従い、積極的にリモートワーク化を進めていきました。方針としては出社禁止ではないものの、エンジニアやオペレーターなど内勤職種を中心にリモートワーク化していった時期でした。
リモートワーク化については、社内のミーティングについては思ったほど苦労しなかった印象です。G SuiteやSlackをはじめオンライン上で業務進行できるツールが揃っていましたし、いくつか問題*1はあったものの、粛々とリモート化を進めた、という感じでした。
一方、営業やコンサルなどクライアント向き合いの職種は、まだまだ対面でのミーティングを求められていたようです。リモートワークに慣れない部分もあったと思いますが、クライアントによって使っているツールやセキュリティ等のポリシーも異なるため、手探りで進めていっていた時期だと思います。
この頃の働き方は?
2月と大きくは変わらず。 コロナが騒がれはじめてリモートワークが推奨されていたが、 まだ対面でのアポが求められるケースが多く、毎日出社していた。 (コンサル 30代 男性) ・会社説明会:オンライン(元々コロナ関係なくオンラインでやろうということになっていた) ・学生さんとの面談:通勤圏内でもオンラインを推奨したことで、オンライン率UP(オプト社員は会社から接続) ・社外の採用イベント:オフライン開催からオンライン開催に切り替わるイベント多数 (人事 30代 女性) アポの数は減りましたが、まだ訪問が続いていました。 クライアントにテレビ会議を打診しても、コロナ禍が落ち着いてから対面での打ち合わせを要望されることが多かったです。 社内はテレビ会議が基本でしたが、クライアントによっては対面が基本という、社内外で対応に差があった時期でした。 (営業 20代 女性) 在宅勤務推奨になったので、ミーティングもすべてリモートで行えるようになった。 エンジニアは普段からリモートワークしている人がほとんどだったので、特に何事もなく業務に取り組むことができていた。 ビジネス側の方を交えたミーティングでも全員が自宅から接続することが増えた。 リモートのミーティングも慣れはじめ特に不便は無かった。 (エンジニア 20代 男性) ミーティング向けにWebカメラや外付けマイクなどを揃えたのはこの時期だったように思う。 (エンジニア 30代 男性)
そして、東京の都市封鎖が囁かれる中、3月末に以下の方針を発表し、完全出社禁止となりました。
2020年4月
- 緊急事態宣言
- 新卒入社
ご存知の通り、4/7に緊急事態宣言が発令され、都市封鎖とはならなかったものの国家的な緊縮へと向かうこととなりました。
弊社でも緊急事態宣言を受けて、出社禁止等の対応を緊急事態宣言解除までとする方針を発表をしています。
緊急事態宣言は以前から囁かれていたとはいえ、明確に潮目が変わる出来事だったと思います。弊社に限らず、全国的に対面での業務を出来るだけ避ける機運が高まり、営業サイドではリモートでのミーティング環境のないクライアントとのアポがキャンセルになったりもしていたようです。
そんな中でも例年通り新卒社員は入社してきます。入社式からフルリモートで行われ、研修についてもフルリモートで進んでいきました。この辺りエンジニア研修*2が終わったらエンジニア新卒の誰かが書いてくれるんじゃないかな?(チラッ
市ヶ谷本社に一度も出社したことのない新卒社員もいるみたいです*3。そんな彼ら世代のテーマは「逆にポジ」*4。逆風をチャンスに変えようとする姿勢はとても素晴らしいですね。
この頃の働き方は?
営業日全てリモートワークになり、移動時間が無くなる。 1日平均4時間は通勤とアポに時間を使っていたので、劇的に仕事による拘束時間が減った。 家族と一緒にランチや夕飯を取ることが出来るようになり、子供も喜んでいた。 (コンサル 30代 男性) ・会社説明会、面談、イベントが全てオンラインに(原則自宅から接続) ・自宅の背景を整えたりバーチャル背景を工夫する人が多数 ・リモート入社式&新人研修:最初は通信環境に不具合がある方の対応などでバタつくも、2週目からは概ね問題なく実施。 (人事 30代 女性) 打ち合わせは基本的にテレビ会議になりました。 この頃から社内外共に、打ち合わせは基本的にテレビ会議、という共通認識ができ始めます。 (営業 20代 女性) おうちのPCスペースをリモートワークスペースに変えました。 モニターやモニターアーム、USBスイッチ、部屋の電子機器を全部模様替えしました。 コストはかかったが、今は仕事もプライベートも割と心地よくできています。 ただし、自分の部屋にいるばかりだったし、外もろくに出られないので、寂しさが増す一方でした。 (エンジニア 30代 男性) ようやく入社!全社の研修を受けていた。 最初は技術トラブルや距離感がわからないことから上手く行かないことも多かった。 それを補うようにブレイクアウトセッションを使った少人数で交流できる場や、 リモート飲み会、ビンゴ大会などが企画されていき、 4月の終わりの頃には一度も会ったことがなくても仲よくなれた。 (新卒エンジニア 20代 男性)
また、下記の通り、4月には弊社からもCOVID-19の発症者が現れました。社内に濃厚接触者もおらず、業務外での感染と推測されたため、オフィス封鎖などの大事には至りませんでしたが、改めて危機感を感じる出来事だったと思います。
【お知らせ】株式会社オプトにおける新型コロナウイルス感染者の発生を受け感染拡大防止対策を継続・強化へ | Innovation Agency オプト
【お知らせ】株式会社オプトにおける新型コロナウイルス感染者発生後の対応進捗について | Innovation Agency オプト
一方、4月にはオプトテクノロジーズでは cluster を使ったイベントを2回開催しています。はじめてやることなので、イベント運営はなかなか大変だったようですが、折を見てまた開催してみたいですね。
2020年5月
- 自粛の成果としての新規感染者数の低減
- 段階的に緊急事態宣言解除
おそらく歴史上最も引きこもりが多かった黄金週間を経て、緊急事態宣言自体は延長されたものの、徐々に国内の新規感染者数が減っていった時期ですね。
弊社では、いくつか課題*5はあるものの、大枠ではすっかり皆リモートワークに慣れてしまった、という状況でした。
この頃の働き方は?
営業日全てリモートワーク。 クライアントもリモートワークになった事で商談も全てオンライン会議に。 新規提案などは対面の方がやりやすいが、ルーティーンの定例会はオンラインでもほぼ支障が無い。 問題としては、メンバーによって自宅の通信環境が悪く、ミーティングで無駄な時間が取られる事も。 (コンサル 30代 男性) 各企業でリモート商談の体制が徐々に整い、オンライン商談の件数が増加していった。 (営業 30代 女性) 引き続き打ち合わせはテレビ会議です。5月中は全てテレビ会議でした。 下旬になってから、6月以降の訪問の予定が入っていきました。 (営業 20代 女性) 完全フルリモートに慣れきった。 自分はプロダクトに関して、出社しなければできない作業が特になかったため、さしたる問題もない。 むしろ出社のリードタイムを減らせている。 (エンジニア 20代 男性) 4月よりも1日の間に業務にあてる時間が長くなりはじめ、 裁量労働制で完全在宅勤務だと長く仕事をしすぎるので、業務時間と自分の時間のメリハリをつけるのが重要だと改めて認識した。 3月から週1,2回の買い物以外で家から出ていないこともあり、 体重が増えたので自宅でできる運動としてリングフィットアドベンチャーなどをはじめた。 (エンジニア 20代 男性) 中旬に全体での新卒研修が終わり、エンジニア研修が始まった。 リモート研修だと、受講者がつまづいていることを講師が目で確認しづらいため、 個人的には技術研修の進行スピードがとても速く感じた。 そのため、自ら積極的に分からない事を質問したり、空き時間にネットで調べたりと工夫をしていた。 (新卒エンジニア 20代 男性)
段階的に緊急事態宣言が解除されていって、東京の解除が目前に迫る中、出社したいという声も少なからずありましたが、多くの人はリモートワークのメリット*6を感じて続けたいと思っていたでしょう。
そんな中、本記事冒頭の方針発表があり、オプトグループはリモートワーク前提の業務体制へと進むことになります。
2020年6月
- 自粛解除へ
6月になり、飲食店等への東京都からの休業要請など、自粛施策が段階的に緩和されていきました。
弊社でも6月からは週2回までは出社できることになったので、何回か出社してみたのですが、あまり出社している人はいません。すっかり業務の軸足はリモートワークになったと思います。
リモート中心になったことで、交通費削減やオフィス解約によるコスト削減なども実現していくと思いますし、そういったものを手当といった形で社員に還元することも進めています。
参考資料: 日本における2019年コロナウイルス感染症の流行のタイムライン - Wikipedia
withコロナは続く
今振り返ってみると、会社として決定しなければならない時も、当時は先行きの不透明さから不安感がありましたが、結果的にすんなり決まっていったように思います*7。そういう意味だと、行政の方針に合わせていくという前提で、コロナ禍に対する危機意識が経営層や役員陣と現場でそんなにズレてなかったのかもしれませんね。
一方、緊急事態宣言や休業要請が解除されたからといって、コロナ流行の第二波が今後来ないとも限りません。かといって、経済を回していかないと社会は衰退していってしまいます。デジタルシフトを掲げる企業グループとして、今後もリモートワークなどの新しい生活様式をうまく活用しながら業務を推進していきたいと思います。