Opt Technologies Magazine

オプトテクノロジーズ 公式Webマガジン

2021年 Opt Technologies の振り返りと2022年に向けて

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こんにちは、Opt Technologies の伊藤順重です。
広告運用オペレーション関連のプロダクト開発、及び運用を担う部署で部長をしています。

コロナ禍2年目となった2021年、ワクチンの接種が始まったり、東京オリパラが開催されたり、総理大臣が交代したりなど、世間は激動な1年だったと思います。
そんな世間に負けじと、当社も激動な1年となりましたので振り返ろうと思います。

なお、昨年度のものはにあります。

2021年にやったこと

外向け活動

コロナ禍以降、オフラインでのイベント開催は困難な状況になり、今年もほとんどがオンライン開催となりました。

エンジニア向けイベント

昨年からのイベント自粛ムードも影響し、上期は企画や開催を足踏みしていました。
そんな中、秋口に 水島さん(@kmizu) を中心に企画した 第一回関数型プログラミング(仮)の会 は、参加者が500名を超え、過去に開催したイベントと一二を争う盛況っぷりでした。 懇親会では、初の試みとなる Gather を導入し、遊び心も取り入れた実りのある会になったと思います。
なお、好評につき 第二回 を1/21(金)に開催予定ですので、ご興味のある方はご参加をお待ちしております。

タガヤス

東北地方のIT企業様と共催のタガヤスは、定期的に開催されています。運営のモチベーション維持が難しい中、地道に活動を継続してくださってとてもありがたいです。タガヤスのイベントは こちら

Tech Magazine

  • 2020年 16記事
  • 2021年 13記事(本記事含む)

コロナ禍におけるイベント主催の減少、マガジン運営メンバーや執筆協力者が減ったのが記事数に影響していそうです。
とは言え、昨年はシリーズ物が数を稼いだことを踏まえると、なかなか頑張っていると思います。運営メンバーの進行管理や心温まる促しが動機になっています。

カンファレンス等スポンサー

今年はカンファレンスについてもオンライン開催が主流でした。弊社として協賛させていただいたカンファレンス等は以下となります。

昨年まで協賛をさせていただいた Scala Matsuri や RubyKaigi などのカンファレンスへの協賛は見送りとなり、ブランディングに対するコストと効果を踏まえた結果と言えます。

社外交流

緊急事態宣言が解除された10月以降、社外のエンジニアリングに関わる方々との接点が増えています。
アドテク業界のプロダクトマネージャー、CTO、エンジニアリングマネージャーと会食やオンライン会議で会話をさせていただき、組織運営の課題感や解決のアプローチをシェアしたり、とても刺激的です。
来年は、他企業のエンジニアの皆さんと Opt Technologies 合同で技術イベントが開催できるよう、交流を継続していきたいです。

内向け活動

激動の1年となったのは、外の変化はもちろんですが、社内の変化が大きかったように感じます。
昨年、弊グループがデジタルホールディングスへと社名変更し、オプトとしても戦略や組織の改革を行い、現場にもその変化が如実にあらわれた年になりました。

組織再編、社長交代、役員刷新

まずは、2月に発表となった オプトの事業分割 です。
分割前は、ネット広告、デジタルマーケティング、DXの三本柱でしたが、それぞれの事業を3社に分割し、オプトとしてはネット広告事業に専念する形となりました。Opt Technologies のエンジニアの一部もグループ会社に出向となったり、私自身もエンジニアリングマネージャーとしてグループ会社に兼務出向しています。
次に 代表取締役の交代 が同タイミングで発表となり、広告事業の変革や事業戦略のテーマとしてFAT(Fairness/公平性、Accountability/説明責任、Transparency/透明性)を掲げ、広告事業の再定義を図ることになりました。
更に変化は停まることを知らず、4月には 役員体制が変わりました
広告運用のソリューション企画・開発、メディア仕入れの管掌領域に伊藤瑞樹さん(詳細は こちら より)が新たに着任し、同タイミングで執行役員CTOの平岩二郎さんが退任、及び退職されました。

2016年に Opt Technologies を作り、これまで率いてきた平岩さんの退任は、私を含めたマネージャーやメンバーにとって大きなニュースでしたし、存在の大きさを実感しました。 とは言え、上記の通り、会社や組織のフェーズが変わっていく中、Opt Technologies も心機一転、新たなマネジメント体制でより良いエンジニア組織を模索していきます。
また、平岩さんの退任に伴い、マネージャーやメンバーはこれまでに経験がなかった領域や業務に関わり、マネジメントや技術の成長機会と捉えることができるでしょう。

人事制度刷新

経営方針や戦略がアップデートされる中、評価制度も経営コンテキストの一貫性に拘った結果、職能型から役割・職務型に変わり、報酬はパフォーマンス(成果)主義でメリハリの利いた制度設計に刷新されました。
旧制度では 能力(→基本給) 成果(→賞与) の二軸で報酬を決定していたものが、新制度では、役割と職務(≒ミッション)+成果で基本給と賞与が同時に変動するドラスティックな変更になりました。
ミッションを決定するロジックは社外秘となっているため、詳細は省きますが、これまでの Opt Technologies では、専門職として必要とされるスキル、知識のアップデートを日常的に行う慣習に価値を見出し 評価制度をブラッシュアップしてきた背景 があり、本制度の適用や浸透には課題が残っています。
また、改めて "エンジニアの成果" というものに直面した時に、どのようなメトリクスを計測することが開発成果物の質と量の両方を担保できるのか、未だ答えは出ていません。本件はCTO協会等でも度々取り上げられていたり、他社事例も参考にしていますが、デファクトスタンダード的なものはなく、組織規模や環境に合った判断材料を探し、適応し続けていく必要があると思います。
なお、今後も可能な範囲内で人事/評価制度に関連する記事(制度適用の課題に対するアプローチを含む)を公開していきたいと考えています。

社内勉強会

社内勉強会に関してはコロナ禍に関係なく、変わらず高い頻度で開催を継続しています。
今年は、発表者を指名制から持ち回り制に変更し、運営課題であった発表者の偏りと負担を軽減しながら運営しています。
テーマとしては、純技術はもちろん、一般教養や大喜利化しているものもあり、もはやカオスと言わざるを得ない今年のテーマを以下に列挙します。

  • プロダクトに簡単なGoogleAnalyticsの計測を入れた話
  • ReScript の紹介と sisisin-mawashi2 の実装解説
  • RubyでREPL駆動開発
  • OKRの本質を伝える
  • リモートワークのための通信秘匿化とTor+Privoxyの話
  • ecs-cliでハマったこととecspressoの紹介
  • CloudFormationを運用する上で知っておきたかったこと
  • メタプログラミング入門
  • FastAPIでファスっとAPIをつくる
  • 今からでも遅くない「楽天経済圏」完全マスター
  • モバイル回線不完全ガイド2021
  • 両側探索の話
  • EpicGamesがAppleを訴訟した裁判が5月3日から始まる話
  • ひきこもりと食生活
  • 2021年5月26日は皆既日食
  • NEUTRINOでAIに歌ってもらおう
  • Debianで作るBluetoothルーター
  • Elmで倉庫番を作ってみた
  • LiveCoding入門
  • 非暴力コミュニケーション入門
  • ポストsisisin-gemesハッカソン
  • 疎結合なソフトウェアアーキテクチャ設計
  • Sisi-Tac-Toeの話
  • ドメイン駆動設計入門
  • 「おもむろに」の誤用を指摘「させていただきます」〜 「日本語誤用」ポリス 〜
  • 最尤推定・最大事後確率推定・ベイズ推定入門
  • PKIの説明など
  • 長年の風雪に耐えるシステムのアーキテクチャとその設計思想
  • Nishikaコンペティションで優勝した話
  • NOEでWebサーバをECSからCloudFrontに移行した話
  • インストラクションデザイン
  • これを機に、最近発表されたGoogleの"FLAN"の発表記事をちゃんと読む(訳す)
  • 実用のための語源学入門(Introduction to Practical Etymology)
  • ツボを押して健康になって仕事を頑張ろう
  • 人生100年時代を生きていく
  • 進化心理学から考えるホモサピエンス
  • 技術イベントをこの先生きのこるには
  • 「レガシーコードからの脱却」を読んだ / 整体に行こう

Group Tech Day

昨年に引き続き今年も開催ができませんでした。
グループ内の別会社のエンジニアリングマネージャーとは個別に接点があったりするものの、エンジニア間での交流は少ないので、来年こそは企画、開催したいです。

社内技術イベント

苦し紛れに 昨年末の社内ISUCONのレポート を貼りますが、今年もコロナ禍の状況もあり開発合宿はできませんでした。相変わらず多人数がオフで集まるイベントは開催しにくい状況なのでなかなか難しいですね。
非公式ではありますが、今年のGWに sisisin-gamesハッカソン という、しめにゃん(@_sisisin) の象徴的アイコンを用いたブラウザゲームである sisisin-games をもじったゲームを制作するハッカソンが行われました。更に、そのゲームに対する解法が社内勉強会で解説されたりもしました。もともとは、エンジニアの一人が悪ふざけ興味本位で制作したゲームが、ここまでの発展を遂げるとは感慨深いですね。

海外研修

昨年以降、海外でのイベントは中止になるか、オンライン開催に切り替わり、わざわざ渡航する必要がなくなりました。残念ながら来年以降も海外研修は厳しいでしょう。
しかしながら、Google I/O、AWS re:Inventのいずれもオンライン開催で、更に無料で参加できるようになったのは、個人的にとてもポジティブです。

新卒エンジニア向け研修

今年のエンジニア研修も昨年同様全てリモートでした。
年を追うごとに研修カリキュラムやテキスト、講義の内容が洗練されていて、トレーナー、トレーニー共に振り返りやブラッシュアップをし続けている賜物だと感じます。水島さんや研修チームには感謝しています。
2022年はコロナ禍の影響で弊社では新卒エンジニアを迎えないのですが、2023年は採用活動を再開しているので、また日の目を見る機会がくるでしょう。

Hackers' Guild

社内の業務環境などの改善を目指すタスクフォース的なエンジニアの集まりです。
コロナ禍以降、物理的な(オフラインで起こりうる)課題は一区切りつきましたが、ソフト面の課題が山積している状況です。特に組織再編や制度変更に起因した課題や取り組みが多かったように思います。

採用

特にIT人材は近年稀に見る激化した市場となっており、中途、新卒共に力を入れて取り組んでいます。
コロナ禍で少し間が空いてしまいましたが、求人票も再開し、スカウトをはじめとしたダイレクトやリファラルリクルーティングを活用し、優秀な人材の獲得に繋げたいです。

技術マネジメント組織の新設

10月にチーフアーキテクト室という部署を新設しました。この室長には、Clojure界隈に度々登場する 大橋さん(@lagenorhynque) が担っています。
一般的には、CTOやVPoTの機能と言える領域だと思いますが、開発にまつわる標準化、自動化、スキル強化を推進する専門チームです。
これまでは、個々の開発チーム/メンバーによる裁量、自治、自助努力に任せる場面が多かったように感じますが、組織的な開発力、品質の向上のため、横断的に取り組む必要が出てきました。
まだ組成直後であり、具体的な取り組み内容は追って記事やPR等で共有できればと思います。

最後に〜2022年に向けて

今年は、オプトとしても Opt Technologies としても、大きな舵を切った年になりました。
広告事業を再定義し、インターネットのフィールドの中でビジネスモデルを変えていくために、ソリューションの開発は切っても切り離せない機能であると言えます。
来年も、顧客とソリューションの距離は更に近づき、Opt Technologies のエンジニアリングの真価が問われる年になるでしょう。
今年もありがとうございました。それでは良いお年を!

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