現在のエンジニアの働き方について社内でアンケートを取ったので、その結果について紹介します。
はじめに
こんにちは。Tech Magazineチームの@natsuumeです。普段はAIソリューション開発部のメンバーとしてインターネット広告の自動生成などのテーマでR&Dを行っています。
Opt Technologies Magazineではこれまでも度々、社内の制度や環境・エンジニアの働き方に関して取り上げてきました。
※Vol.1以降のエンジニアの1日シリーズについてはこちらから ※2018年時点の内容であり、現在の評価制度とは異なります。詳細はこちら。
しかし、新型コロナウィルスの流行に伴い、弊社でも100%リモートワークへの移行やそれに伴う制度の変更など、コロナ禍以前とは大きく働き方が変わっています。
そこで今回は社内のエンジニアへ働く場所や時間などに関するアンケートを行い、現在Opt Technologiesのエンジニアがどのような働き方をしているのかご紹介したいと思います。
アンケート結果
概要
はじめにアンケートの概要を説明します。
今回のアンケートは2022年2月18日~3月18日までの1ヶ月間行い、回答件数は28件でした。Opt Technologiesに所属する正社員の人数が45名なので、全体の回答率は約69%、各部署ごとの回答率は以下のようになっています。
- ビジネステクノロジー開発部: 17 / 23 (73.9%)
- データテクノロジー開発部 : 2 / 10 (20.0%)
- AIソリューション開発部 : 7 / 8 (87.5%)
- チーフアーキテクト室 : 2 / 4 (50.0%)
また、回答件数に占める各部署の割合、メンバーとマネージャー職の割合は下記の通りになります。
働く場所について
最初に紹介するのは働く場所に関するアンケートの結果です。現在、リモートワークになっていることもあり、おもな仕事場所は全員が自宅という回答でした。
続いて、リモートワークとは言っても実際どれくらい会社に出社しているのかも気になるポイントかと思いますので、こちらもアンケートを取っています。現在、弊社では特に出社を禁止したり、といったことは無いため人によってかなりばらつきがある結果となりましたが、多くの人は半年~1年に1回出社する程度のようです。
オプトではリモートワーク移行後、オフィスの一部解約とそれに伴うオフィスのリニューアルが行われていますが、私自身もリニューアル後のオフィスにはまだ1回しか行ったことがなかったりします。
自宅の作業環境
リモートワークでは作業環境を整えることも重要です。そこで、リモートワークになってから新しく購入したものについてアンケートを取ってみました。
マイクやイヤホン、ヘッドセット、Webカメラ、マウス、キーボードなどリモートワークに必要な機材や周辺機器が挙がるのは予想通りでした。また、ディスプレイや椅子、PCデスクといった大型のものも少なくない人数が購入していることからリモートワーク移行後、自宅の作業環境を整えた(あるいは大きく変えた)という人も少なからずいるようです。このほか、直接的にリモートワークと関連が薄いものとして空気清浄機や保温タンプラーを挙げている方もいました。
また、数名の方から自宅作業環境の写真を提供いただいたのでこちらで併せてご紹介します。
引っ越し・地方移住
リモートワークといえばニュース等では「リモートワークで地方移住や都市部から郊外への引っ越しが増えるのでは」という話がされたり、実際に地方に移住した方のインタビューやブログを目にする事もありました。この点、Opt Technologiesではどのような感じなのかアンケートを取ってみました。
今回のアンケートでは引っ越しの理由までは質問していないため、必ずしもリモートワークやコロナ禍の影響での引っ越しとは限りませんが、すでに引っ越しをした人が50%(検討中・引っ越し予定も含めれば60%)もいることは素直に驚きました。
また、引っ越しをした・引っ越しを検討している人の約半数が地元や出身大学の地域などを引越し先に選んでいるなど、完全リモートワーク化を期にいわゆるUターンやJターンと呼ばれるような働き方をしている人も増えているようです。
もちろん、隣接地域や同地域内で引っ越しを行っている方もいますが、ある程度距離の離れた地域への引っ越しの具体例としては
- 北海道札幌市
- 東京都青梅市
- 千葉県香取市
- 京都府京都市
- 兵庫県神戸市
といった遠方の地域に移り住むケースと、
- 千葉県千葉市
- 千葉県柏市
など郊外の地域に都内から引っ越すケースの2通りがあるようでした。
Opt Technologiesではコロナ禍以前からリモートワークの試みとして最大週1回のフルリモート制度や無制限の部分リモート(出社の必要はあるが任意の時間をリモートワークで行うことができる)制度を導入していたこともあり、完全リモートワーク移行から2年経ちますが現在のところ大きな問題は起きていません。働く場所や時間・環境を柔軟に選べるようにする、というメッセージが全社的に発信されていることもあり、今後も上記のような地方移住の例は増えていくように思います。
働く時間
Opt Technologiesでは裁量労働制を導入しており、業務の開始・終了時間や1日の業務時間を自由に決める事ができます。裁量労働制というと、SNSやニュースの一部では「定額働かせ放題」というような表現でネガティブな表現をされることもある制度ですので、実際に社内でどのような運用がされているのかは気になる所かと思います。そこで普段、何時くらいに業務開始・終了しているか、普段の1日の業務時間についてアンケートを取りました。
こちらは全体の回答結果について紹介した後、部署ごとの結果やメンバーとマネージャーでどのような違いがあるか紹介していきます。
全体結果
1日の労働時間
はじめに普段の1日の労働時間については以下の箱ひげ図1ような結果になりました。 なお、Optでは会社全体の労働時間の規定は所定労働時間7.5時間+1ヶ月あたりみなし残業30時間という形になっています。
冒頭で紹介した裁量労働制に関する記事でも触れていますが、Opt Technologiesの裁量労働制においてもそれを踏襲しており、みなし労働時間は1日8.5時間(うち所定労働時間7.5時間)としています。
結果としては1日の労働時間は~8時間に収まっている人が過半数を占める形となりました。社内でもOpt Technologiesのエンジニアは残業が少ないという話は度々耳にしますし、実感としても違和感のない数字だと思います。
業務開始・終了時間
業務開始時間と業務終了時間は次のようになりました。
業務終了時間については大半の人が~19時に収まっているというのは社内の様子を見ても実感できる数字でした。一方、業務開始時間については全体としてもう少し遅めの時間帯が多くなると予想していたため、9:30~10:30に業務開始する人が半数(それ以前も含めると過半数)というのはやや驚きの結果です。
なお、業務開始時間については中央値が10:00、平均値は9:54となりました。俗説としてエンジニアは朝型よりも夜型が多いという話もありますが、少なくともOpt Technologiesのエンジニアについては朝型のほうが多いようです。
このように書くと朝が苦手な方の中には「朝から会議とか設定されそう」という懸念を抱く方もいるかもしれません。私も気になって何人かの予定を確認してみましたが、メンバーについては基本的に11時以降の時間帯で予定が設定されていることがほとんどのようです(週1~隔週くらいでは10時くらいに予定が入っている方もいました)。
朝会やデイリーで定例を実施しているチームがある一方で、週1~2回の定例のチームなどもあり、実際のところ1日のスケジュールについては所属するチームによってかなり差がありそうです。
部署ごとの結果
ここから部署ごとの結果について見ていきます。なお、冒頭触れた通り、データテクノロジー開発部・チーフアーキテクト室については所属人数やアンケート回答数が少ない点を考慮し参考程度に留めておくのが良いかと思います。
1日の労働時間
部署ごとの1日の労働時間は以下のようになりました。
傾向としてビジネステクノロジー開発部は他部署よりもやや業務時間が長いと言えそうです。また、AIソリューション開発部は他部署よりもばらつきが大きい結果となりました。こちらについては後述する「働き方のスタイル」でも触れますが、毎日一定の時間働くのではなく普段の業務時間を長く/短くして特定の日に寄せる働き方をしている人が多いことが理由として考えられます。
業務開始・終了時間
1日の労働時間のケースと同様にAIソリューション開発部はやや結果のばらつきが大きい形となりましたが、ボリュームゾーンで見ると業務開始時間については各部ともに大きな傾向の違いは無さそうです。
業務終了時間については1日の労働時間の差がそのまま業務開始時間に上乗せされた形となっており、ビジネステクノロジー開発部が比較的遅く、AIソリューション開発部が比較的早いという結果となりました。
1週間あたりの参加ミーティング時間
こちらは部署ごとに大きく傾向が異なっており、ビジネステクノロジー開発部とチーフアーキテクト室が比較的長く、データテクノロジー開発部とAIソリューション開発部が短いという結果になりました。回答のばらつきについても労働時間の結果とは異なりAIソリューション開発部はマネージャー以外の全員が3時間と回答するなど一定である一方で、ビジネステクノロジー開発部は人によってかなり違いがあることが分かります。
これはビジネステクノロジー開発部が部内に複数のチームを持っており、チームごとに定例頻度などが異なることが理由として挙げられます。また、AIソリューション開発部は研究開発が主な業務となるため定常的な予定が部内の定例に限定される一方で、ビジネステクノロジー開発部は実プロダクトの開発を担っておりビジネスサイドとの距離が近いことも理由の1つと言えるかもしれません。
チーフアーキテクト室についてはOpt Technologies横断で標準化や整理、技術的な支援を進める部署のため各所との調整が必要なことからミーティング時間が最も長い結果となったと考えられます。
役職による労働時間の違い
同様の内容について、役職によってどのような違いがあるのかも見てみます。 アンケートでは「メンバー」「部長・TMなどマネージャー職」の2通りで分けました。
なお回答数については、前述の図のようにメンバーが22名、マネージャー職が6名となっています。
1日の労働時間
1日の労働時間はメンバーよりもマネージャー職のほうが長い傾向にあることが見て取れます。
メンバーのボリュームゾーンが約7~7.9時間なのに対して、マネージャー職では約7.6~8.9時間となっています。また、中央値で比較してもメンバーは7.5時間なのに対してマネージャー職では8.3時間と1時間弱の差がありました。
業務開始・終了時間
役職ごとに見てみると、業務終了時間はメンバー・マネージャー職ともに似た傾向を示している一方で、業務開始時間はマネージャー職のほうが早い傾向にあるようです。これは業務開始時間があまり変わらず業務終了時間がばらついた部署ごとの分析とは真逆の形となっており、中々興味深い内容です。
何人かのスケジュールを確認した感じでは、これはマネージャー職の方ほど10時など早い時間帯にミーティングの予定が設定されるケースが多いことが影響しているように思います。
1週間あたりの参加するミーティングの合計時間
1週間あたりの参加ミーティング時間は圧倒的にマネージャー職のほうが多い結果となりました。
最も参加時間が多い人で週25時間でした。マネージャー職の1日の労働時間の中央値が8.3時間なので、ざっくり1週間のうち丸3日分はミーティングをしている事になります。中央値で見てもマネージャー職の場合、1週間のうち丸2日分ミーティングをしている計算になりました。
働き方のスタイル
時間管理でない働き方の場合、毎日同じ時間働くのではなく労働時間を寄せて緩急をつけることもできます。そうした労働時間のバランスの取り方についてもアンケートを取りました。
アンケート結果では、多くの人は毎日一定の時間働く形のようでした。私個人はかなり日によって労働時間がバラバラなのもあり、もう少し結果はバラけるかと思っていました。1日の業務開始・終了時間等を見ても、Opt Technologiesのエンジニアは私が思っていた以上に規則的な生活を送っている人が多いという事が分かりました。
また、普段多めに働く人/少なめに働く人について少ない日と多い日の労働時間がどれくらいかも聞いてみました。
どちらのパターンでも、少ない日は5~6時間程度、多い日は9時間前後という人が多いようです。このようにOpt Technologiesでは働く時間を柔軟に調整している人もいます。
その他
ここからは半分おまけとしてそれ以外に質問した内容について触れていきます。
業務中の雑談
リモートワークでは社員同士のコミュニケーションが課題になることが多く、社内の一部の部署やチームでは意識的に雑談タイムを設けるなどの取り組みを行っていたりします。
Opt Technologiesでもそういった取り組みを行っているチームはありますが、現時点では中央値が週20分弱ということもあり、あまり普及しているとは言えなそうです。
雑談に割いている時間が0分の人を除いた場合の結果は下図の通りですが、この場合でもボリュームゾーンは週30分~1時間にとどまっているようです。
リモートワークになってからの運動習慣
リモートワークといえば通勤が無いことによる快適さばかりに注目されがちですが、一方で運動不足になる人も増えているようです。社内でも75%の人が運動する時間について「減った」と回答しています。
一方でリモートワークになってからジム通いやウォーキング、散歩など新しく運動を始めた人も社内では多くいるようです。
リモートワークになってから新しく始めたこと、おすすめのもの・サービス
最後にリモートワークになってから新しく始めたことや、利用するようになったサービス、おすすめのものなどについて質問してみました。
多かった回答としてオンラインイベントへの参加が挙げられます。これは私自身も感じていることですが、社外の勉強会等もオンライン開催になったことで一参加者としては参加へのハードルがすごく下がったように感じます。もちろんリアルでの開催はそれはそれで様々なメリットがあるとは思いますが、イベントによっては、開催直前にTwitterなどで情報を知ってそのまま視聴する、といったことも可能で非常にありがたいです。
Tech Magazineでは過去にリモートでのイベント開催やイベント司会という視点での記事も公開していますので、興味がある方はこちらもご覧ください。
また、上記の運動習慣とも関連が深いところとして、任天堂Switchのフィットネス系ゲームである「リングフィットアドベンチャー」「Fit Boxing / Fit Boxing 2」なども挙がっていました。
生活への影響が大きそうな内容としては
- ペット(小鳥)を飼いはじめた
- リモートワーク用に家を設計した
などの回答もありました。
確かに言われてみると友人でもここ1,2年の間にペットを飼い始めた人が何人かいるので、リモートワークを期に生き物を飼い始めるという人は意外と珍しくないのかもしれません。私自身は猫を飼いたいと思いつつも現時点では中々難しいので、会社のSlackに猫の写真やニュースなどを投稿するチャンネルを作って時々眺めたりする程度です。
そのほか、休日の移動手段として電動自転車を挙げている人も数名いました。
まとめ
今回はOpt Technologiesのエンジニアがどのような働き方をしているのか、アンケートを通して紹介しました。
Tech Magazineではこういった社内の制度や環境・働き方に関する記事のほか、社内のプロダクトや技術に関する記事、主催あるいは参加したイベントに関する記事など様々な記事を公開しています。この記事でOpt Technologiesに興味を持った方はぜひご覧ください。
また、エンジニアの1日シリーズの続編として6月頃を目処に、リモートワークでの働き方の実例を紹介するエンジニアの1日Vol.5の公開も予定しています。ご期待ください。
なお、Opt Technologies Magazineでこういった内容を紹介してほしい、などの要望があれば下記フォームからご投稿ください。
最後に、Opt Technologies ではエンジニアを募集中です。カジュアル面談も可能ですので、下記リンク先よりお気軽にご応募ください。
- 箱ひげ図:ひげの両端が最大/最小値、箱の両端が第一/第三四分位数(25%, 75%)を表す↩