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20 年度のリモート新卒研修を振り返ってみた

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こんにちは、2020 年度新卒入社の @u1 です!

先日 hiraiva(執行役員 CTO 平岩)が執筆した、「コロナ流行とリモートワークへの移行を振り返ってみた」でも取り上げられていましたが、弊社では昨今の事情を鑑みて、原則リモートワークで業務を進めていく方針となりました。それは 20 年度に新卒入社した私達も例外ではなく、4/1 の入社式から現在に至るまで、原則リモートで業務を行っています。*1この記事ではそんな中行われた新卒研修について振り返っていきます。

全体研修 (4/1 ~ 5/11)

私はエンジニアとして入社していますが、すぐエンジニアのみの研修というわけではなく、20 年度の新卒全員で全体研修を受けました。

全体研修で行ったことは以下のとおりです。

  • 社内制度・環境についての説明
  • ビジネスマナー研修
  • Web 広告・マーケティングについての研修
  • IT リテラシー向上 PJ
    • コンピューター/Web 基礎についての研修
  • 仮想の企画・プレゼンコンテスト

全体研修ではオプトという会社や Web 広告業界について学び、最後はこれまでの研修で学んだ知識や方法を活かして、仮想のクライアントに対して企画立案しプレゼンを行いました。

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BLTで使われているスライドのキャプチャ。ここではWWWとは何かについて書かれている。

全体研修の中でも IT リテラシー向上 PJ では、BLT (Basic Literacy Training) という社内 IT リテラシー研修を基に、コンピューター・Web の仕組み、HTML/CSS、JavaScript、SQL といった、IT 技術についての研修を全新卒社員が受けました。私も含めて新卒のエンジニアは事前知識もあったため、とくに苦もなく進めることができました。しかしながら総合職の方々は、当然のことですが、大半の人がプログラミング自体に触れたことがなく、とても大変そうにしていたことをよく覚えています。同期からは「事前にこういったことを行うと聞いていれば、勉強するなり心構えをする時間ができたので良かった」という声もありました。

後に聞いた話ではあったのですが、このプログラムを実施すること自体、直前で急に決まったことらしく、研修チームの時間も少なかったと考えると仕方なかったのかもしれません。IT リテラシー向上 PJ は今年から始まった取り組みとのことでしたので、来年の研修には自分も協力してより良いものにしたいです。

リモート化の影響

リモートで研修を行うにあたって、弊社では Zoom を使用していました。研修を受ける側として感じた良かった点・難しかった点は以下の通りです。

良かった点
  • 質問がしやすかった
  • 出勤する(電車に乗る)必要がない
  • 普段の環境で仕事ができる
  • コミュニケーションがしやすい(個人差大)

良かった点として、あえて「コミュニケーションがしやすい」と書いています。一般的に「リモートワークはコミュニケーションが取りにくい」と言われていることが多いです。あくまで私見であり、会社としてそう考えているものではないですが、これは慣れの問題で、時間が経てば直接コミュニケーションを取ることよりも、リモートでコミュニケーションを取ることの方がやりやすいとさえ考えています。これについてもう少し触れていきます。

現地で会話をする場合、まずその会話したい人を探す必要があります。探してその人を見つけたとしても、その人が会話できる状況なのかを考慮する必要があります。会話できなかったらできるようになるまで待つ必要がありますし、会話できそうでも会話ができる場所まで移動する必要があります。いざ会話となっても、資料を準備して会話しながら議事録を取り、相手の状況を見つつ話す量を調整したり……何かと手間がかかります。それにその会話にかかっている時間が拘束され、他のことは何もできません。

それに対してリモートでは、とりあえずチャットを飛ばしておいて都合の良いときに返信してもらえば良いですし、自動的に議事録が残るので会話中の手間も低減されます。また相手の返信を待つ間に他のこともできますし、相手が理解しきれていないときでもこのメッセージの意図はこう、という補足が可能です。どうしても直接話がしたい場合であっても Slack の通話機能や Google Meet などを使うことができます。資料を提示したい場合でも共有場所に置いておくか、画面共有機能を使って提示できます。

もちろん相手の表情を見ながら会話したい、他愛もない話を近くの不特定の人としたい、といったことは難しくなっているとは思います。しかしながら、業務内容を聞く、質問するといった必要なコミュニケーションは、なんら問題なく取ることができると思っています。

難しかった点
  • トラブル対応
  • 仕事と普段の生活の切り替え
  • チャットでコミュニケーションを取ることに慣れていない人が多かった
  • 業務環境が整っていない人がいた

中でも「トラブル対応」については、リモート特有の難しさがあるように強く感じました。各自会社から支給された PC を使用して研修を受けていましたが、当然全員が PC に詳しいわけではなかったり、各 PC が接続している社内 VPN の問題などですぐに解決することが難しく、逐一画面共有をしてもらっていた記憶があります。このことは研修中も感じていましたが、出社したときにチームの方に PC の画面を見せて指を指しながら「ここがこれだからこうなるんですけど、ここどうすればいいですかね」のような質問をしたとき、とても簡単に問題を伝えられたため強く感じています。

加えて、「業務環境が整っていない人がいた」ということも、難しさがあると感じました。リモートで研修を行うということが、連絡されたときが 4/1 の直前だったため、PC を使用した業務ができる環境を自宅に用意していなかったり、そもそもインターネットが通っていなかったりした人がいました。かくいう自分も 4 月頭はインターネットが通っておらず、社用スマホでテザリングをして研修を受けていました。

またこれは新卒研修だけが問題というわけではありませんが、全社的にテレカンが増加していたところにさらに新卒 90 名+研修担当者が Zoom を使用して実質的なビデオ通話を行っていたことにより、意図せず社内 VPN に負荷をかけてしまい、VPN の速度が非常に遅くなったこともありました。

エンジニア研修 (5/11 ~ 7/3)

5/11 の午後からは総合職の方々と別れ、エンジニアのみで研修を行っていました。ここからの内容は昨年度新卒エンジニアだった方々が執筆した、昨年度のエンジニア新卒研修についての記事も併せてご一読いただけると幸いです。

このエンジニア研修では、オプトの現役エンジニアの方々が作成していただいた資料を元に、講義形式で研修を進めていました。

基礎知識研修

基礎知識研修では、以下の内容について研修を行いました。

  • 開発環境のセットアップ
  • コンピューター・Web 入門
  • HTML / CSS 入門
  • Linux 入門
  • コマンドライン操作入門
  • バージョン管理入門 (Git, GitHub)
  • JavaScript によるプログラミング入門
  • データベース入門
    • RDB とは
    • SQL の書き方
  • インフラ入門
    • ネットワークについて
    • Docker 入門
  • アジャイル研修
  • セキュリティについて
  • Scala + Play 研修
  • クラウド (AWS) 研修
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使用した研修資料のキャプチャ。ここではバージョン管理入門について書かれています

ここではコンピューターとは、Web とは何か? という初歩の部分から、Docker や Scala + Play など実践的な内容まで広範囲にわたって、しっかり時間をかけて教えていただきました。とても丁寧に教えていただき、事前知識がまったく無かった領域でもちゃんと理解ができたので、大変感謝しております。質問したらその内容はもちろん、どうしてそうなっているのか? という歴史的経緯まで合わせて教えていただけたりしてとても面白かったです。他にも質問という体ではなく、Slack にある自分の times チャンネルでふっと呟いただけでも、色んな方に回答していただけて大変助かりました。

昨年と同様、Scala + Play 研修ではドワンゴさんが作成し、その後日本の Scala コミュニティに寄贈された資料を使用していました。その資料はこちらです。ちなみに昨年半ばに執筆者の一人である kmizu さんがオプトに入社され、新卒研修の担当者となっていたので、資料の執筆者に直接教えていただけるというとても恵まれた環境で研修を受けることができました。(すごい!)

このときに学んだ知識は実際の業務でも活かされており、自分はとくに Git/GitHub 操作が役に立っています。個人開発では master に force-push しまくっていた自分も、今では develop に master を rebase して feat に switch -c して commit したものを push して PR 出して reject されています。

実践(チーム開発)研修

基礎研修の後、約 3 週間にわたってチーム開発の研修を行いました。この研修では、仮想の美容室予約アプリケーションを開発することを目的に、おおまかなデザイン・要件が与えられ、それに対して各チームで Scala, Play Framework を使用した設計・実装・テスト等々のすべてを行いました。

今回は 2 チームに分かれて開発を行いました。

自分のチームでは、ドメイン駆動開発(のような何か)を行っていたのですが、あまり上手くできなかったので悲しかったです。しかしながら 1 つの Web アプリとして形にすることができ、チーム開発の基本的な流れを学ぶことができたので、良かったと感じています。kmizu さんが提供してくれたテンプレートのままだった master ブランチが、自分たちが開発したものに上書きされたときの感動と興奮ひとしおでした。

もう 1 つのチームでは、最初の 1 週間ほどで基本的な要件を満たすものができていたらしく、最終的にデザイン等を凝ったりまでしていたことが凄かったです。自分たちはとてもそこまでできる余裕が無かったです。

自分も含めて、新卒エンジニアは一人を除いて Scala に触れたことがなく、チーム開発の経験もあまり無かったようなので、とても良い経験になったと思います。

まとめ

リモートでの新卒研修を振り返った記事でした。昨年とは異なりリモート下での研修となりましたが、個人的にはデメリットよりもメリットの方が多いと感じました。しかしながらこれは個人差があり、自宅の環境が整っていない、リモートのコミュニケーションに慣れていないなど、多くの課題が残っているのも確かです。今回の経験を活かして、来年以降の研修をより良いものにすることはもちろん、普段の業務の効率化を図ることもできればなと思います。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

*1: 現在は週 2 回までの出社が認められています。