Opt Technologies Magazine

オプトテクノロジーズ 公式Webマガジン

Google I/O 2019 に参加しました

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2019/5/7 ~ 9 に開催された「Google I/O 2019」のレポートをお届けします。

あいさつ

こんにちは! オプトテクノロジーズ エンジニアのよしたか @technicakidz です。現在、Angular で web アプリのフロントエンド開発している新卒入社2年目です。 海外未経験のよしたかがシリコンバレーで開催された Google I/O 2019 (というか海外視察) の様子をレポートします。 今回は、もりだくさんのレポート(しっかり1週間分の視察内容)となっていますので、少しでも現地の雰囲気を感じていただければ幸いです!

Google I/O とは

年に一度行われるGoogle主催の開発者向けカンファレンス。

  • 新製品・新技術発表
  • 各種技術セッション
  • 試作品の展示
  • Googlerオフィスアワー, アプリレビュー
  • 来場者同士の交流
  • ライブなどのコンテンツ etc...

events.google.com

ちなみにI/Oへの参加権は、オプトテクノロジーズで毎年行っている開発合宿 の優勝チームが獲得します。

Day 0

早速移動でくじけてしまいそうになった件

アメリカに到着した私たちを早速待ち受けていたのは、公共交通機関の不便さでした。交通網が圧倒的に発達した日本に慣れてしまった我々に立ちはだかる使い方の分からない謎の券売機や、30本に1本の電車にはじめは戸惑いました。

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BART(Bay Area Rapid Transit)はサンフランシスコ・ベイエリア高速鉄道

サンフランシスコには caltrain や BART という鉄道がありますが、改札の通り方が複雑で初めてSuicaの便利さに感謝していました。

そういった環境下ではやはりUberLyftの発達は欠かせなく、3分程度で配車できてしまうサービスは私たちも海外視察の最終日まで利用することとなります。

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I/O前日のうちに入場用 badge を pick up した Registration Center

intel's google I/O day zero dorm party に参加

サンフランシスコに前乗りした私たちは、Google I/O を前日にして盛り上がりをみせていた Intel のday zero party に参加してきました。

software.intel.com

Intel といえば圧倒的半導体素子事業で有名ですが、当然ハードウェアの強みを活かした研究開発が進んでいます。 特に、ハイパフォーマンスの小型プロセッサを搭載した HMD(Head Mounted Dispalay) で心臓のバーチャルイメージを操作できるデモが印象的です。

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VR技術デモコーナー

ちなみにイベントのコンテンツとして、発表者からコイン(?)を集めると Intel グッズがもらえます。 下の写真は弊社データサイエンティストの den が獲得したグッズの一覧です。

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25のセクションに参加しIntel goodsをゲット(バッグの中にはタンブラー、ノート、USBメモリ、トラベルピローなど盛りだくさん)

初日から疲弊しながらも、なんとか宿泊先のホテルにたどり着きました。

Day 1

圧倒的ライブオープニング

ここからがイベント本番ですね。 まずは会場の Amphitheater(ライブ会場にも使われる)で行われたオープニングの様子をご覧ください👇

www.youtube.com

計算機や電話機といった古い家電の映像からスタートし、我々人間とテクノロジーの関係を時系列で描くなんとも"エモい"オープニングでした。 オープニングが終わりCEOである Sunder Pichai 氏が登壇するまでに湧く会場の歓声で、I/Oの開幕を実感するとともにやっと期待の大きなイベントであることを肌で感じることができました。アーティストライブ前の高揚感のまさにそれ。

今年の印象的な発表は、なんと言っても Pixal 3a と Nest Hub Max ではないでしょうか。 技術発表としては、去年に引き続きAI関係(音声認識自然言語処理)の精度向上とプライバシー保護の強化、そして AR をプッシュしていたように感じます。 Keynote と Session 全体を通してもこれらは主張されていました。 イベント全体の総括として Googler が今年の発表を1コラム3行程度でこちらにまとめています。

blog.google

英語が苦手なあなたでも記事の各コラムのセンテンスが短いので大丈夫(むしろ英語の学習になるかも)!

現地の様子

サンフランシスコの天候について

気温は東京より低く、過ごしやすいです。 日差しは日本の夏以上に強く、参加者全員に配られる Google goods に日焼け止めクリームがあるのも納得です。

イベントは食べ物も飲み物ももちろん全てタダ

当然のようにコーヒーコーナー、スナックコーナー、ジュースストック・・・が行動範囲10m圏内に点在していました。 ウォーターサーバーもそこかしこにあるので、持参するものはタンブラーかウォーターボトルさえあればよし。

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カフェオレはもちろん種類豊富な紅茶やデカフェ対応も

世界中から参加者が集まる多宗教環境なのでビーガン(酪農製品を食べない菜食主義者)対応も下の写真のようにしっかりされています。

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「Smoked Tofu with gochujang mayo」

参加したいものは Reserved seat が欠かせない

Session や office hour も google I/Oアプリから予約を行います。

play.google.com

このアプリを使いこなすことがカギだったようで、 目星の内容はお気に入り登録していましたが、優先列があることを知りませんでした。 しかも基本的に座席はパイプ椅子なのですが予約者用の前列はソファでした。予約ひとつでVIP待遇。

ちなみに、I/Oアプリの案内機能も AR です。 イベント前日にチケットを Registration するのですがそこで使ってみた様子です👇

www.youtube.com

これは弊社もオフィス案内アプリ作成の機運か...

参加した Session

Day1 ということもあり、まずは Session に積極的に参加しました。 資料は2019年6月現在公開されておらず、Youtubeアーカイブを参照するとよいです。 翻訳精度も向上しましたしね。

www.youtube.com

参考程度によしたかの参加した Keynote と Session をご紹介します。

  • "Google Keynote"
  • "Developer Keynote"
  • "Code, Build, Run, and Observe with Google Cloud"
  • "What's New with Chrome and the Web"
  • "Zero to App: Live Coding a Cross-Platform App on Firebase"
  • "Live Coding A Machine Learning Model from Scratch"

After Dark

発表などがひと段落すると、それまでの雰囲気がガラッとお祭りタイムに変わる After Dark。我々も例にもれずしっかり遊んできました!

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Amphitheater前のゲート付近もライトアップ

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それまでSession会場だった場所がアーケードゲーム筐体だらけに

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times_ystk(筆者のslackチャンネル) の様子

Day 2

アメリカ生活も少し慣れ、移動もスムーズになってきた2日目。

参加した Session

この日は、弊社プロダクトでも利用しているフロントエンドフレームワーク Angular の Session が記憶に残っています。サーバサイドも Angular ライクに開発ができる NestJs の話や、これまで Googler も含む Angular ファンによるコミュニティが技術発展を支えている話が特に印象的です。

  • "what’s new in Angular"
  • "Writing the Playbook for Fair and Ethical Artificial Intelligence and Machine Learning"
  • "Artificial Intelligence: From Social Good to Ambient Intelligence"

ここで教訓なのですが、あの Jeff Dean 氏の Session は人気が圧倒的でやはり予約しておくべきでした... Day1の反省をもとにI/Oアプリで確認したところ、Reserveボタンが砂時計アイコンになっていたので案の定という感じです。Jeff Dean 氏といえば採用試験でNP問題をその場で解いてしまったエピソードなど で有名ですよね。

GDG 参加

その後、NEAO (Northeast Asia and Oceania) Gathering Dinner @I/O へ。 日本、韓国、中国、香港、オーストラリア、ニュージーランドなどアジアを中心とした GDG(Google Developers Group) というグループの meetup です。

gdg-tokyo.connpass.com

Google社とは直接関わりがあるわけではないようですが、実際にGoogle本社内で開催されアジア出身の現役 Googler の皆さんが企画に協力していました。アイスブレイクで日本人に英語で話しかけては日本語で話直すことを何度もしてしまい、なんだか気恥ずかしかったです。

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参加者に日本の企業が多く安心しました

謎のド迫力コンサート

IOのメイン会場である Amphitheater はそもそもコンサート会場でもあるのでゲストアーティストの演奏を聴くことができます。技術とのコラボがテーマで、openCV(?)によるアーティストの顔認識を演出映像にしていたりしてさすが技術系カンファレンスといった感じです。 私たちは The Flaming Lips というバンドのライブへ。 バルーンから登場したり野菜で音を奏でたり手からビームを出したりしていました。

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大量のバルーンが放たれド派手なオープニングでゲストバンドが登場

Day 3

参加コストをペイする App Reviews

自分のプロダクトで現在開発しているwebアプリに関するレビューをしてもらいました。 アドバイザーは Jeff Posnick さんという方でした(もちろんGoogleのエンジニア) 。 つたない英語ながらも、デモをしながらレンダリング時間短縮やコードの肥大化について相談してみました。 主なレビュー内容は以下です。

  • lighthouse plugin の活用方法
  • Progressive Web App Checklist を参照し指標として開発する
  • キャッシュの最適化にはworkbox (Jeffさんのチームで開発したもの) が便利
  • デベロッパーツール活用のための詳しいことは Google Developers Japan のYoutubeチャンネルで解説をみよう

webアプリケーションのパフォーマンスについてはもちろん、生Googleエンジニアと話せる経験はそうそうないですし App Review と Office Hour を制するものはIOを制する といっても過言ではないと思います。

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Googleエンジニアたちが待機している番号がふられたブースへ案内された

Codelabs

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Amphitheater に入場するとまず目に入る場所に位置している Codelabs

ハンズオン形式で g.co/io/codelabs から問題を選んで解いていく workshop です。 ノンプラグラミングでも取り組める内容もあるので、開発者に縛られず参加しやすい印象でした。

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ラップトップを持参しなくともデスクトップとサブモニタが用意されている

同行していた弊社エンジニアぐちゃーんは ARCore に挑戦していました。

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カフェで作業する感覚で参加できる

最終日の印象としては人の入りが落ち着いていて、Sandbox も並ぶことなく参加できました。電源のある作業スペースも確保しやすかったです。しかし余裕をこいていたせいで 5G と mindfullness の workshop に参加できず人気の Session などはやはり予約するべきことを痛感しました。 幸い、5G workshop は弊社エンジニアの藤原が唯一参加していました。 以下のような、5Gのもたらすメリットからどのように私たちの生活を豊かにすることができるか考える workshop だったようです。 リモートで楽器を演奏しセッションする、スポーツ観戦などたくさんのアイデアに。

  • 通信速度向上
  • 遅延(レイテンシ)低下
  • 接続可能端末数増加
  • ロバスト性向上

これから日本でも導入され、どのように生活が変化していくか楽しみですね!

番外編

IOが終わったのも束の間、観光も含めてサンフランシスコ周辺の様子を視察しました。

Google HQ ツアー

40,41,42,43号館と名前のついた建物が、広大なオフィス(もはや街)の中心です。 建物内はもちろん Staff Only ですがカードリーダとガードマンが必ずおり、かなりセキュリティが厳しかったです。当然カフェテラスなども社員同行でないと立ち入れません。

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エンジニアは筋トレしようというお達し(無限プール横のボード)

上の写真は、オフィス内に突然設置されている無限プール(正面から出続ける水流で延々と泳ぐことができる)です。こちらは売上目標を達成した Googler の希望によって建てられた、など様々なエピソードをツアーで伺うことができました。

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社食でランチをいただきました

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Android Pをモチーフにしたドロイドくんで記念撮影

Slack HQ ツアー

弊社CTOの尽力により、Googleオフィスツアーに続いてSlack本社のオフィスツアーも実現しました。 対応いただいたSlack社のHong様、日頃弊社を担当いただきありがとうございます。 どのミーティングルームにも予約管理用のタッチパッドが設備されるなど、オフィスのあらやる物理的なデザインもUI/UXが意識されていました。 日本企業でもよくある会議室飽和問題について気になったので質問したところ、やはりSlackでも起きるそう。そこは人間の温かみでカバーしているようです。

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どこのフロアに行ってもオシャレ空間

be8a(ベータ)

IoTを中心としたクラウドファンディングの商品開発を行う b8ta Inc. の実店舗。 今回のI/Oで発表されていた Nest Hub を開発した Nest社出身の Vibhu Norby 氏が設立し、話題になっているショールーム型のリテールストアです。

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店内には電動スケーターからベビーベットまで幅広い品揃え

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筆者が中学生のときから普及して欲しいと信じてやまない骨伝導イヤフォン

コンピュータ歴史博物館に2時間は足りない

エンジニアとして是非知っておきたい基礎教養を学ぶ場所です。 ENIAC(世界初のコンピュータ)どころかアバカス(日本で言うそろばん)の時代から展示されています。

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コンピュータ歴史博物館エントランス

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初代フロッピーディスクはこの大きさでストレージが80KB

念願の Amazon Go へ

渡米前から念願だった無人コンビニこと Amazon Go を利用してみました。 無人とはいえども、ゲート前にはアプリのインストールを促したりするガードマン的存在が数人いました。

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コンビニとはいうものの土日は18時閉店(治安などの事情があるかも)

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天井にはおびただしい量のカメラモジュールが

商品がかなりきれいに整列してはいましたが、風景自体は日本のコンビニとなんら変わりませんでした。 それよりも商品購入を判断する高精度カメラが数十台も設置されていました。下の写真でおわかりのように、RGBカメラ以外にもなにかしらのモジュールがありました。Amazon の設備投資を惜しまない姿勢を感じます。

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サッタケーブルどころか電源程度しかカメラからのびるケーブルは観測できず

China town が最強という話

アメリカ食に飽きてしまっていたのもあってシンプルに美味しかったです。

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オバマ前大統領も来たという中華料理店Z&Yでディナー

おわりに

最後に、つきなみですが数多あるメディアで消費する情報より目で確認する圧倒的情報量を全身で浴びてくることができました。 Uber でもドライバーの方と積極的に会話をしながら英語も勉強することができ、人生でも大きな経験となりました。同行した弊社CTOをはじめ、皆さんに感謝しています!

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来年も是非I/Oへ!