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動画スクリーンショット自動化ツールの紹介

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AIソリューション開発部にて社内の業務効率化ツールとして開発した動画広告のスクリーンショット自動化ツールについて解説します。

あいさつ

こんにちは。AIソリューション開発部のnatsuumeです。今月は広告テキストの自動生成のためにBARTの日本語学習済みモデルを触ったりしています。

今回はAIソリューション開発部が作成した社内の業務効率化ツールであるスクリーンショット自動化ツールについて解説していきます。

スクリーンショット自動化ツール とは

インターネット広告には大きく「テキスト広告」「バナー広告」「動画広告」の3種類が存在しますが、スクリーンショット自動化ツールは動画広告に関する業務を効率化するものです。動画広告では各クライアント様への報告の際に、広告の内容を説明するために動画内の各シーンのスクリーンショットを取りクライアント様への報告資料に添付します。

スクリーンショットは各シーンから取得する必要がありますが、シーンの切り替わりタイミング等は広告によって様々なため動画時間で機械的にスクリーンショットを切り出すことができません。そのため従来は動画ファイルを見ながらシークバーを調整し、人手でスクリーンショットを取る必要がありました。

スクリーンショット自動化ツールは上記の業務を効率化するために作成されたツールです。動画ファイルを入力とし、各シーンごとのスクリーンショットを画像ファイルとして出力します。なお、こちらのツールは当時契約されていた業務委託の方が主に開発していましたが、現在はAIソリューション開発部内のメンバーで運用・保守を行っています。

使用した手法

前述の通り動画からスクリーンショットを取得する場合、単純に時間で切ってしまうと上手く必要なシーンを取得することができません。加えて、スクリーンショットを取得する際には同一シーン内でもなるべく鮮明なタイミングのものを取得することが求められます。

本ツールではフレームごとにエッジ検出を行い、その分散をスコアとして利用しています。
参考:Blur detection with OpenCV

各フレームにおける鮮明度スコアを計算し、時系列で並べると下図のようになります。このように、画像の鮮明度が安定している箇所と鮮明度が低下する「谷」のような箇所が定期的に存在するのが分かります。

また、実際の動画を思い浮かべると分かりますが、シーンの切り替わりでは動画内の各素材が大きく移動するなどシーン内の安定している場面と比べて鮮明度が低下することが分かります。このことから図における各極小値をシーンの切り替わりとして考え、極小値間(あるいは動画の始点/終点と極小値の間)で極大値となる箇所をそのシーンにおいて最もスクリーンショットに適したタイミングとして検出しています。

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鮮明度の推移

また、図の最後の部分のようにシーンによっては動画内で小刻みに極大・極小値を繰り返す場合もあります。そのため、各極大値で取得したスクリーンショット候補に対して類似度を計算し、類似度が高い候補を除外する処理を加えています。

まとめ

今回は弊社AIソリューション開発部における取り組み事例の一部を紹介しました。弊社では業務の標準化・効率化・自動化に取り組んでおり今回紹介したスクリーンショット自動化ツール以外にも様々な取り組みが存在します。

インターネット広告業界においても近年は、人工知能技術を活用した効率化・自動化に関する事例が各社から出ており私自身も身の引き締まる思いです。今後も定期的に社内の取り組み事例を発信していきたいと思いますので、どうぞお待ち下さい。