ONE's Data 開発チームでスキルトランスファーという取り組みをしたので、その取り組みについて紹介します。
あいさつ
こんにちは。データテクノロジー開発部の中村です。普段の業務は ONE's Data という 1st Party DMP の開発をしています。
スキルトランスファー とは
一般的にスキルトランスファーとは「業務や技術を引き継ぎ、蓄積した技術や知識を教えること」を指すようです。 ONE's Data 開発チームではスキルトランスファーとして毎週最低1時間、メンバー総当りの 1 対 1 の MTG を組み、メンバー間で作業内容を設定しました。
一例ですが、以下のような活動をしました。
- バックエンドが得意な人がフロントエンドに技術を指導をする
- アーキテクチャを深めに解説する
- プロダクトのデータの流れを解説する
- Pull Request を参照して変更箇所について解説・議論をする
- 理想のチーム像・達成すべき目的を言語化して伝える
活動はペアプログラミングの側面を持つ回もあれば、プログラミングに限定しない回もありました。スキルトランスファーという枠組みを用いたのは、ペアプロミング以外も実施できるように柔軟性を持たせたかったという背景もあります。
なぜ実施しようと思ったのか
スキルトランスファー実施の背景として、ONE's Data 開発チームには次のような課題感がありました。
コミュニケーション不足を解消したい
過去記事でも記載されているように、当社ではコロナ初期からリモートワークを実施しています。
オフィスへの出社で得られていた、
- この機能どういう仕組み?
- 最近どう?
- あのタスク、今どんな感じ?
といった何気ないコミュニケーションをしづらいのが実情です。
これが数日程度であれば影響がでることも少ないですが、年単位でリモートワークを実施していると、コミュニケーション不足が開発速度に影響を及ぼすこともあります。
ONE's Data 開発チームでは以下のような課題が浮き彫りになってきました。
- 依存関係のあるタスクで引き継ぎが十分でない
- なかなかコードレビューをされない・催促しづらい
- コードレビュー指摘意図がわからない・訊けない
- タスクの関連する機能の内容を誰かに訊けば早期解決するのに、訊きづらい
このようにコミュニケーション不足はチームの成果に少しずつ影響しました。この状態から脱する手段の一つとしてのスキルトランスファーが採択されました。
メンバー間のスキルの偏りを是正したい
ONE's Data 開発チームではバス係数を意識して、
- バックエンドが強い人にもフロントエンドを少し知って欲しい
- フロントエンドが強い人にもバックエンドを少し知って欲しい
という指針でチームを運営しています。
ところが、開発効率を重視するあまり、いつの間にか得意分野ばかり担当してしまいました。スキルの偏りを是正したいということからもスキルトランスファーの機会が必要とされました。
実施して得られたこと
スキルトランスファーを実施したことで、以下のような成果が得られました。
- 曖昧な認識で配置していたコードに対して、アーキテクチャを意識して配置することができた
- 不得意分野の理解が加速した
- 普段話さなかったメンバーと話し、良好な関係を結ぶきっかけになった
- Pull Request を内容を深く理解し、素早く議論・マージできた
このように、概ね期待通りの成果が得られました。継続して取り組むことで、より大きな成果を得られると考えています。
うまくいかなかったこと
ポジティブな側面が多かったこの取り組みですが、作業内容をメンバー任せにしたために「お互いにお題が思い浮かばなかったためにスキップする」といったことはありました。内容をメンバー任せにしたデメリットでもありますが、改善の余地がありそうです。
おわりに
本記事ではスキルトランスファーという取り組みについてご紹介しました。
リモートワーク開始からしばらく経過し、コミュニケーション課題が表面化してきた会社も多いのではないでしょうか。
本記事が課題の解決の一助になれば幸いです。
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