2017/12/20 (水)に市ヶ谷のオプトカフェで開催された『市ヶ谷Geek★Night#16 Kubernetes Christmas! 〜クバネテスサンタのプレゼント〜」』のレポートです。
挨拶
いよいよ12月、皆さんお忙しいところ、今年最後の市ヶ谷Geek★Night #16 Kubernetes Christmas! にお越しいただき、ありがとうございます。初めてレポートを書くことになりました大塚です。
市ヶ谷Geek★Nightとは
オプトではエンジニア向けイベントとして、2015年4月の第1回から「市ヶ谷Geek★Night」を定期的に開催しています。 おもしろくてタメになるイベントを目指し、エンジニア中心に運用されているイベントです。
過去開催回はこちらになります。
Kubernetes について
私は Kubernetes (以後 k8s) といえば Borg の記事を思い出します。この記事を読んだ頃は Google の MapReduce から派生した Hadoop がホットでしたが、次はこの Google の Borg も誰かが真似て普及するかもしれないと思っていました。その後 Docker が流行りだし、世の中では Docker オーケストレーションの模索が始まりました。Google はこの時 Docker のオーケストレーションツールである k8s を開発し始め、徐々にデファクトスタンダードにしてしまいました。この k8s がオープンソース版の Borg に相当するのではないかと思います。今回の Geek★Night では恐らく日本一 k8s に詳しい方々の貴重な体験談や解説が聞けて私の k8s 情熱が再燃しました。
セッション
株式会社オプト 柴田 「Step by Step k8s ~プロダクトにk8sを導入するまでにやったこと~」
登壇者一人目は弊社の柴田が「Step by Step k8s ~プロダクトに k8s を導入するまでにやったこと~」のタイトルでゼロからk8s を如何にしてものにしたかを丁寧に解説しました。
まず、k8s に惹かれた理由として Infrastructure as Code を挙げました。そして具体的にコードでインフラを作った方法を披露。k8s 初心者は初めはシンプルな設計で実装したり、 Kubernetes in Actionを読むといいとのことでした。
k8s とっつきにくい感を払拭してくれたと思います。
グーグル・クラウド・ジャパン合同会社社 村上様 「Managed k8s で加速するアプリケーション開発」
次に登壇したのは、「Managed k8s で加速するアプリケーション開発」というタイトルでグーグル・クラウド・ジャパン合同会社社の村上様でした。自己紹介で Python がお気に入り言語とのことでしたので、Python ファンとしてはうれしかったです。村上様は MetaTrader4 というクラウド上のトレーディングシステムがきっかけでクラウドに関心を持ったとのことでした。
今回は GKE (Google Kubernetes Engine) つまり GCP で k8s を使う方法を紹介してくださいました。GKE を使うことによってログ周りが簡単になったり、ログの可視化や処理がGCPの他のツール(Data Studio、BigQuery、等)を使ってできるのでアプリケーション開発に専念できるとのことでした。
ゼットラボ株式会社 須田様 「プロダクションレディ Pods」
この後少し休憩を挟んでから「プロダクションレディ Pods」というタイトルでゼットラボ株式会社の須田様に発表して頂きました。須田様は Pod の定義の説明から、Pod の作り方のベストプラクティスを論理的に解説してくださいました。さらに Pod のスケジューリング、ランニング、ターミネートのベストプラクティスを紹介しました。
いろんな落とし穴の紹介などがあり、k8s の知見が一気に増えたと思います。
懇親会 / 公募LT
須田様のセッションを以てセッショントークが終わりました。ここからはお約束の懇親会が始まりです。クリスマスが近いということでシャンパンが振る舞われます。乾杯の音頭は弊社の野口がサンタ帽を被ってユニークな挨拶で会場を盛り上げます:
Merry Xubernetes!
青山様
和やかな懇親会が一段落したところで、LT セッションが始まりました。第一弾は Cyber Agent 社の青山様。k8s のデプロイを全て git で行う方法を紹介して頂きました。kubectl は使わない方がいいと聞きびっくりしました。最後に AKE という CA で使われているアドテク専用の k8s を使ったシステムを紹介してくださいました。
makocchi様
次のLTはmakocchi様。Certified Kubernetes Administrator (CKA) の攻略方法を紹介して頂きました。この CKAは実践を試す形式であり、ネット使い放題と聞き挑戦したくなりました。その他にも試験に合格するためのいろいろな裏技やコツの紹介があり、Geek★Night に来てとても得した気分になりました。ありがとうございました。
チェシャ猫様
最後はチェシャ猫様でした。猫耳が印象的なチェシャ猫様は rkt を紹介してくださいました。私は rkt は聞いたことがありましたが、詳細は全然分かっていませんでした。rkt のデザインは k8s と非常に親和性が高いとのことでした。さらに使いまわしができたり、Docker よりも安全というメリットもあるみたいです。しかし、あるテクニカルな理由で k8s には使えなくなった経緯があり、その解決策を紹介して頂きました。rkt の存在を知って救われた気分になりました。ありがとうございます。
まとめ
今回は初心者から上級者までためになるセッション・LT があったと思います。どちらかというと上級者向けの情報が多かったと思います。k8s はまだまだ始まったばかりで今からキャッチアップするのも遅くないと感じました。発表した皆さんありがとうございます。