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Opt Technologies Magazine

オプトテクノロジーズ 公式Webマガジン

アプリのトラッキング6大手法まとめ 2016

アプリトラッキング トラッキングツール 流入元分析 SDK Adjust プロダクト Iwamoto

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アプリにおける、インストール・トラッキング(流入元判定)手法をまとめます。

アプリのトラッキング6大手法まとめ 2016

はじめまして、アプリプロモーションの総合支援ツールである、Spin AppのPMをしております岩本智裕です。アプリプロモーションにおいて、インストールした流入元の情報を取得することは非常に重要です。アプリの流入元の判別は、一度ストアを経由するため困難であり、メディアやOS、計測ツールによって手法が異なります。本記事では、2016年現在ある手法を列挙・整理し、それぞれの特徴について記述します。

トラッキング手法の一覧と整理

アプリのトラッキング手法を整理すると、下記の6手法があります。6手法は、メディアからストアに遷移する際に、計測ツールのリダイレクトを挟むリダイレクト型と、挟まない非リダイレクト型に分類することができます。一般に非リダイレクト型の方が、リダイレクト回数が少ないために、より良いトラッキング手法とされています。

リダイレクト型と非リダイレクト型

[リダイレクト型]
  1. Cookieを利用した手法
  2. 端末類推技術を利用した手法
  3. Androidリファラを利用した手法
  4. 広告IDを利用した手法
[非リダイレクト型]
  5. クリックデータを送信する手法
  6. メディアに依存した手法

それぞれの手法について詳細を記載し、最後にまとめます。

1.Cookieを利用した手法

Cookieを利用した手法

リダイレクトする際に標準ブラウザにクリック情報を書き込み、アプリがインストール後起動されたタイミングに標準ブラウザを立ち上げることにより、クリックに情報とインストール情報を紐付ける手法です。最近では、インストール後起動したタイミングに標準ブラウザを立ち上げるのではなく、SafariとCookie SyncできるSFSafariViewControllerを立ち上げることもあります。

長所

  • クリックからの期間を長く・精度高く測定することができる。

短所

  • 計測サーバーへのリダイレクトが発生する。
  • アプリ起動時にブラウザが起動するために、UIが悪い。
  • アップルのリジェクトリスクが高い。
  • 標準ブラウザ経由のインストールしか測定できない。

測定条件

  • 標準ブラウザを経由する必要がある。

計測漏れする可能性

  • アプリ内ブラウザ経由で、ストア遷移した場合。
    • Twitterなどのアプリ内ブラウザ経由のインストール。
    • キュレーションメディアなどのアプリ内ブラウザ経由のインストール。
  • リダイレクト時のブラウザと、インストール後起動時のブラウザが一致しない場合。
    • Androidで、リダイレクトする際に選択するブラウザと、インストール後起動する際に選択するブラウザで違うブラウザを選んだ場合。
    • iOSで、Safari以外のブラウザ(例:Chromeブラウザなど)で広告をクリックした場合。
  • Cookieに書き込みができなかった場合。
2.端末類推技術を利用した手法

端末類推技術を利用した手法

フィンガープリンティングという技術を用いて、リダイレクトした際に取得した端末に関する情報と、インストール後起動した際に取得した端末に関する情報を比較して、同一端末であると類推する手法です。参考とする端末情報として、IPやデバイス種別などの情報を利用するらしいです。類推する手法ですので、時間が経つと精度が下がる傾向があります。そのため、7時間以内の計測に多く用いられます。徐々に精度は向上しており、7時間以内であれば、広告効果分析として十分な精度が保たれています。精度や計測時間に多少の問題はありますが、iOSにおいて最もメジャーなトラッキング手法です。これは、iOSにて広告IDを取得することができないメディアでも、Appleのリジェクトリスクなく、計測できる唯一の手法であるためです。

長所

  • リダイレクトする環境を選ばない。

短所

  • 計測サーバーへのリダイレクトが発生する。
  • 精度が他の手法に比べ低い。
  • 長時間の測定に向かない。

測定条件

  • 特に無し。

計測漏れする可能性

  • リダイレクト時の端末状態と、インストール後起動時の端末状態が大きく変化した場合。
    • 接続しているネットワークが変わった場合。
    • OSがアップデートされた場合。
3.Androidリファラを利用した手法

Androidリファラを利用した手法

Google Play経由のインストールでは、Google Playに遷移させる際に付与したリファラ情報を、インストールされたアプリが取得することができます。このリファラ情報を用いて、流入元を特定する手法です。Androidに限られるものの、精度も高く、OSが推奨する計測手法であるために、Androidにおいて最もメジャーなトラッキング手法となっています。

長所

  • 精度が高い。

短所

  • 計測サーバーへのリダイレクトが発生する。
  • OSがAndroidのみ。

測定条件

  • OSがAndroidであること。
  • Google Play経由のインストールであること。

計測漏れする可能性

  • Androidリファラの取得に失敗した場合(極稀)。
4.広告IDを利用した手法

広告IDを利用した手法

メディア側でこの広告IDが取得可能な場合に、リダイレクトする際に計測サーバーに広告IDを送信し、インストール後起動時にSDKから取得した広告IDと比較して、同一端末であると特定する手法です。主にリターゲティング時に用いられることが多いです。AdColonyInMobiなど、アプリメディアにSDKを入れて広告表示するタイプのアドネットワークで利用可能な手法です。

広告IDについて

iOSではIDFA、AndroidではGoogle Play Advertisement IDという広告IDがあります。広告IDはCookie同様に、ユーザーがリセット可能であるために、広告では一般的に利用されています。しかしながら、広告IDの取得はWebからは取得できないため、Webとアプリの情報を紐付けることができません。また、ユーザーは広告IDの利用を制限することもできます。

長所

  • 精度が高い。

短所

  • 計測サーバーへのリダイレクトが発生する。
  • メディアから広告IDを送信してもらう必要がある。

測定条件

  • メディアが広告IDをリダイレクトのパラメータに付与して送信可能であること。
  • 広告IDが利用可能な端末であること。

計測漏れする可能性

  • リダイレクト時とインストール起動時で広告IDが変更された場合(極稀)。
  • 広告IDが利用不可能な端末である場合。
5.クリックデータを送信する手法

クリックデータを送信する手法

4.広告IDを利用した手法に似ていますが、広告IDの受け渡し方が、リダイレクト時にパラメータで渡すか、リダイレクトとは別にパケット通信するかで異なります。リダイレクトが発生せず、アプリストアまでスムーズに遷移できるために、アプリ面に広告を持つメディアに好まれることが多いです。

長所

  • 精度が高い。
  • アプリストアまでの遷移がスムーズ。

短所

  • メディアから広告IDを送信してもらう必要がある。

測定条件

  • メディアが広告IDをパケット送信可能であること。
  • 広告IDが利用可能な端末であること。

計測漏れする可能性

  • リダイレクト時とインストール起動時で広告IDが変更された場合(極稀)。
  • 広告IDが利用不可能な端末である場合。
6.メディアに依存した手法

メディアに依存した手法

この手法は、Facebook、Twitter、Googleがメディアである場合のみ発生します。この手法を利用するためには、各メディアに対してパートナーとなる必要があります。計測サーバーはすべてのインストール情報をメディアに提供し、メディアは自社のデータを参照し、自社経由のインストール情報を特定し、計測サーバーに伝えます。計測サーバーはメディアから受け取った情報と自社で持つ情報を比較し、流入元を特定します。

長所

  • 精度が高い。
  • アプリストアまでの遷移がスムーズ。

短所

  • メディアにすべてのインストール情報を提供しなければならない。
  • インストールに紐付かないクリック情報を取得できない場合がある。

測定条件

  • メディアに対してパートナーとなる必要がある。

計測漏れする可能性

  • リダイレクト時とインストール起動時で広告IDが変更された場合(極稀)。
  • 広告IDが利用不可能な端末である場合。
備考:メディアSDKを利用する手法

メディアSDKを利用する手法

6大手法以外にも、メディアSDKを利用して、流入元を特定する方法があります。メディアがSDKを提供しており、そのSDKが外部から流入元情報を参照することができる機能を持っている場合に、この手法は利用可能です。主にFacebookの公式パートナー(MMP)になることができなかった計測ツールが利用する手法です。計測SDKは、メディアSDKから流入元情報を取得して、計測サーバーに送信することで、計測サーバーは流入元の特定をすることができます。

長所

  • 精度が高い。
  • メディアのパートナーでなくても、測定可能。

短所

  • メディアのSDKを導入する必要がある。
  • クリック情報を取得することができないことが多い。

測定条件

  • メディアがSDKを提供しており、流入元情報を外部から参照可能であること。

計測漏れする可能性

  • リダイレクト時とインストール起動時で広告IDが変更された場合(極稀)。
  • 広告IDが利用不可能な端末である場合。

まとめ

このように、多くのトラッキング手法が存在し、それぞれメディアに合わせて手法を使い分けたり、合わせて使ったりする必要があります。長所・短所を一覧化すると下記になります。

トラッキング手法比較

すべてのトラッキング手法をアプリディベロッパーが実装することはほぼ不可能かと思います。そのために、トラッキングを専門とするSDKがあります。トラッキングを専門とする代表的なSDKを下記に記します。

Spin Appがパートナーとしてあるadjustでは、下記のようにトラッキング手法をサポートしてます。(参考)

トラッキング手法 adjustのサポート状態
1. Cookieを利用した手法 ☓ (リジェクトの可能性があるため)
2. 端末類推技術を利用した手法
3. Androidリファラを利用した手法
4. 広告IDを利用した手法
5. クリックデータを送信する手法
6. メディアに依存した手法

SDKの比較表も載せたかったのですが、諸々の事情により、今回は割愛したいと思います。アプリプロモーションを行う上で、トラッキングは欠くことができないものです。そのためそのツール選定は非常に重要になります。トラッキングツールは、広告運用やリターゲティング広告はもちろん、DeepLinkアナリティクスマーケティング・オートメーションアプリ設計まで、影響をするものです。

トラッキング手法は更なる進化を遂げるでしょう。より複雑になるかもしれません。その際に、

  • 最新のマーケティング手法や、アプリトレンドを把握すること。
  • 適切なトラッキング専用ツールを選択すること。
  • トラッキング専用ツールと上手に付き合うこと。

を意識すると良いと、本記事を記述していて感じました。本記事がみなさまのお役に立つことがあれば幸いです。